Mission trickster-3

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そしてオークション当日。 秘密裏な場所だけあって、出入りする人々は皆一様に仮面をつけている。 だから潜入した私達に誰一人として疑問を抱く人はいない。 やがてオークションが始まり、次々に盗品が落札されていく。 「次ですね」 「えぇ」 ボディーガードを兼ねて連れてきたCがアナウンスを聞いて、こそっと耳打ちしてくる。 見れば男が壇上で宝石を見せている。 こうやって遠目に見ると、本物にしか見えないわね。 「はい、五百万!他にいらっしゃいませんか」 飛び交う値段が止まり、落札した女性が壇上にあがるのに合わせて私達も前にでる。 「お待ちになって」 「なによ、急に!」 そして落札した女性を呼び止め、先に壇上に立つ。 「これからちょっとした余興をお見せいたしますわ」 驚く女性を片手で制し、宝石を一つ取り高く掲げる。
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