Mission trickster-3

10/12
前へ
/459ページ
次へ
宝石を床に叩きつければ、軽い音を立てて砕ける。 「な、これは一体どういうことですの!」 「そんな……」 割れるはずのないものが粉々になったのを見て、女性は宝石商を問い質すも男も答えられずにいる。 「なぜならその宝石は全て偽物だからよ。本物はとっくにもとの持ち主の手元にあるわ」 「な、ウソだろ……あの女」 言い争いのさなかに私が宝石を指して言えば、男は慌て宝石を確認する。 それでようやく偽物と気づき、己の失態に体をふるわせている。 そのうちインカム越しにHが呼ぶのに、私はラストスパートをかける。 「焦りで見間違うなんて、一生の不覚ってところかしら。ご愁傷様」 「?あ、貴様っ、ぐっ……」
/459ページ

最初のコメントを投稿しよう!

268人が本棚に入れています
本棚に追加