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今度は他の客からも迫られている男に向けて、私は仮面を外して笑いかける。
それに一瞬眉をひそめた男だが、すぐに正体に気付いて殴りかかってくる。
が、もちろん私に当たるわけはなく、隣にいたCが拳を受け止め、捻りあげている。
「さあさあ、皆様も動かないでください。ショーはまだ終わっておりませんから」
ますますざわつく客に向けて声高に言うのと同時に、会場の扉が開き警官がなだれ込んでくる。
「さ、私達は逃げるわよ、C」
「はい、姐さん」
なにやら罪状を叫びながら向かってくる警官をよそに、Cに指示すれば掴んでいた男を離して、煙玉を投げる。
その煙の中、さらに警官に紛れて私達は外にでる。
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