Mission thief

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「お見事」 少し切れた息を整えていると、ぱんぱんと乾いた音とともにそういわれる。 そちらを見ればソーレが立って笑っていた。 さらに他の仲間たちがのびている暴走族どもを縛り上げている。 「んな恐い顔すんなよ。それなりに分け前はやるから」 「顔はもともとだ」 遠くからパトカーのサイレンの音が聞こえてくる。 どうやら騒ぎを聞きつけたらしい。 それにソーレはてきぱきと仲間に指示を出している。 ちらりとソーレを見ればおどけた素振りを見せるので、俺はふてぶてしく切り返してやる。 ひと暴れできたはものの、いいように使われたことに胸の内にはまだ少しイライラはくすぶっていたが、とにかく仕事は成功に終わった。 あとはバーで報酬を貰うだけだ。
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