Removal.Ⅱ-2

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「えぇ~」 ヴェルテのことだから物で溢れてるのかと思えば、事実は全くの逆でなにもない。 いや、あるにはあるが、ホント必要最低限の物しかない。 ベッドとか棚とか。それだけ。 「人の部屋上がり込んで、第一声がそれかよ」 「だって、質素にも程があるわよ」 予想外なことに思わずでた言葉にヴェルテが呆れ声で言うのに、私はそんなことを返す。 というか生活感がないんですけど。 物が少ない分広く見えるせいなのかな? 「もともと物を溜め込む主義じゃないんだよ。それに寝る場所さえあれば俺は十分だし」 「うっそー絶対汚いと思ってた」 きょろきょろと見回していると、頭を掻きながらヴェルテが言うのに、うっかり本音がでてしまう。
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