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やつの部屋のベランダに降りると、カーテンは閉められているものの窓は開け放たれている。
『あ、アニキ。右隣の部屋に』
「あ?おー……よっと」
「?どうした」
中に入ろうとしたところで、Fが呼ぶのに俺はベランダの仕切り越しに言われた場所を覗く。
それでFが言いたいことに気付いて、持っていた暗視カメラのシャッターを数回切る。
体を戻し近寄ってきたアーズリーに、今撮ったものを画面に出す。
「証拠ゲット、だな。さて本題に戻ろうぜ」
画面には窓の向こう、縛られ眠らされているらしい数名の女性達。
おそらくやつが売ろうとしている子達だろう。
あとで助けてやるから、もうちょい待っててな。
そう心の内で呟いて、俺はカーテンに手をかける。
「……」
「どうした、入らないのか」
しかし中を覗いた俺はその手を離す。
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