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「女性を泣かせること自体が最大の罪よ!」
「君は黙っていてくれたまえ。君にはあとでゆっくり話を聞かせてもらうからね。その前にそこの二人には消えてもらうけど」
そのドロムの腕を振り解こうともがいていたロッサが叫ぶのを、やつは丁寧な口調で言いながらもあっさりとその抵抗を片手で抑えつける。
ただのバカな御曹司というわけじゃなさそうだな。
女とはいえ、決して弱くはないロッサを楽々と抑えつける様子を見て、俺は内心で毒づく。
「消す?んなことしていいのか。それこそ悪事を犯す羽目になるぜ」
「どうせ裏社会の人間だろう?なら事実ごと消すことなどわけないさ」
しかしこのままでは確実に消されてしまいかねないので、俺は賭にでることにした。
それで俺は努めて軽い口調で話し始める。
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