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「俺らがたった三人で来たとでも思ってるのか?俺らが戻らなきゃ手下がここにくるぜ」
これは事実。
それにこの様子は足元のインカムを通して手下達に伝わっているはずだ。
「それにたとえ俺らがいた事実を消せても、あっちまでは消せないだろ?なんせあんたの大事な金づるだもんな」
「!?なぜそれを」
といっても笑みを崩さないドロムに、俺は目線で右手奥にある扉を見て言う。
そうさっきの女性達が監禁されているであろう部屋に続く扉を。
すれば、ようやく焦りの表情を浮かべたやつに今度は俺が笑みを向ける。
「知ってるからあんたに近づいたんだよ。より的確な証拠を得るためにな。
それにその証拠はすでに手下から別の場所に流れてるぜ」
そしてこれは半分嘘。
だって証拠はまだこの手の中だ。
だがそれをやつが知り得るわけはない。
これであとどのくらい隙ができるか。
俺はやつが揺らいだ瞬間の反撃できる時を狙う。
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