Mission thief

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「だから運次第なんだから持ってねー奴もいるわけだ。 しかもここは盗賊どもの集まる場所。出しといたら盗ってくださいと言ってるようなもんだぞ」 ソーレの言葉にようやく合点がいった俺はしっかりとケースを抱える。 さらにソーレに言わせれば、気紛れでしか渡されないこれをコンプリートするには多少の奪い合いもしなきゃならないそうだ。 「ま、あれだけの力があれば大抵は返り討ちにできるだろうけどな。でこっちが報酬金。バイクは好きなの持ってきな、じゃ」 「おぅ、じゃな」 けれど先程の取っ組み合いを見た感想なのかソーレはそう笑って、他の奴らより少し膨らんだ袋を置いて、去っていった。 その後、バイクは装飾を全部剥いで、俺はシンプルに黒でボディーを染めて使っている。 ソーレとはあの仕事以来時々タッグを組むようにもなったが、あくまでその場限りで正式な仲間ではない。 気が合うとはいっても、やはり俺自身も仲間になりたいとは思えないから仕方ないのかもしれないと考える。 でも確かに今までよりずっと楽しい毎日だ。 さぁ今日はなにがあるのか。
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