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だが、殴った当の本人はまさか決まるとは思っていなかったのか、衝撃で床に転がった俺を驚いてた表情で見下ろしていた。
それでそのままその部屋を去ったロッサは、今だ自室に籠もっている。
「ふぅん、その一撃で許すなんて仲間には甘いんだな」
「うっせ。別段大ミスしたわけじゃないし。それにこれで済んだ方が奇跡だよ」
掻い摘んだ話をすれば、グリージョはニヤニヤとしているのに、俺は頭を掻きながら答える。
実を言えば、もっと喰らうと思っていた。
それでもちゃんと冷静な部分も残っていたようで、俺はそれにほっとした。
俺だって決して気の長い方じゃないが、仲間にはならべく優しくありたいと思う。
おそらくこの先も共に一緒にいる相手達だし、なによりも大事なのかも知れない。
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