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――ロッサ
怒りで頭がいっぱいになって、あの男を殴った。
いつになく感情が制御できなくて。
でもそんなこともうどうでもよくなっていた。
そしたら何故か背後から襲われて……
目が覚めたらアジトの空き部屋のベッドの上。
「目、覚めたか」
状況把握ができずに呆然としていると、ふいに声を掛けられ見るとベッド脇のイスにヴェルテが座っている。
その表情は心なしか固い。
そしてさらに固い声色で告げられた事実に、私はしばし唖然とする。
「なんで、なんでよ!信じらんない!」
「すまなかった」
けどすぐにそれは怒りに変わり、ヴェルテに詰め寄る。
でもこいつは私を見上げ、ただそう呟く。
その言い方が今は無性に腹立って、気がつけば私は右手を握りしめて振りかざしていた。
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