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避けると思ったから殴りかかったのに。
次の瞬間見たのは、痛そうに左頬を押さえ床に倒れているヴェルテ。
けどなおも真っ直ぐに見上げる視線に、ようやく私はいろんなことから目が醒める。
ヴェルテは何度も気持ちを抑えろと言った。
なのに、私は……
拳に広がる痛みと恥ずかしさから、私はなにも言わずその場を逃げてしまった。
自室に引き籠もって、ベッドの上で蹲まる。
頭に浮かぶのは取り留めもないこと。
何回かノック音を聞いたが、どれも無視してしまった。
結局そのまま寝てしまった私は、日差しで目を覚ます。
どうしようかと迷ったあと、とりあえず謝ろうと部屋を出る。
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