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突然切っていたはずの警報が鳴り響く。
驚いて立ちすくんでいるうちに、入り口から警備員とは違う雰囲気をまとった男達が現れる。
さらにインカム越しに手下達の慌てた声が届き、似たような状況になっているようだ。
退く、しかないか。
こちらに襲い掛かる様子はないが、じりじりと詰め寄る奴らの人数に、正面突破は無理だと判断した俺は手下達に逃げろと小声で指示する。
「一度退くぞ」
それから両脇の二人にも囁き、俺は持っていた催涙弾を男達に投げつけ慌てた隙に背後の窓を開ける。
そしてまだ呆けている二人を担ぎ上げ、窓から飛び降りる。
上手く植え込みに着地できたが、自分プラスの重みに少なからず衝撃が走る。
が、立ち止まるわけにはいかないので構わず駆け出す。
こうして俺達はなにもできぬままの逃走をする羽目になった。
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