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「リスクが高すぎる。今回のでこっちはけが人が出てるんだ。無茶をすれば失敗するだけだ」
「だけど、また解除するのに時間をかけるわけにはいかないんだよ」
しかしアーズリーは反論を返してくる。
確かに強行突破で主に先陣をきる俺やC達が負傷している今では難しい話である。
でも時間をかければあっちに逃げられるかもしれない。
アーズリーの言い分が正しいのもわかるし、多分こいつも俺の言いたいことぐらいわかっているんだろう。
が、互いの正論が噛み合わず、気がつけば喧嘩腰の言い争いになってしまう。
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!」
「だいたい、安全の保証もなしに突っ込むなんて無謀だ!それこそ相手の思うつぼ……あ、そうか」
それに慌てたロッサが止めに入るも、アーズリーは構わずまくしたてる。
しかし途中で何か思いついたのか、いきなり黙り込む。
「あの厳重な警戒心を逆手にとってやろうじゃないか」
それからにやりと笑ったアーズリーはそう切り出す。
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