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男がやってくる数分前。
倉庫の入り口手前の物陰に隠れていた俺は静かにチャンスを待つ。
『上手くのってくれた。もうすぐそっちに着くと思う』
「了解」
そうしているとアーズリーの笑いを含んだ声がインカムに伝わる。
それに短く答えていると、確かにこっちに走ってくる足音が聞こえる。
息を潜めていると、よく周りを確認せずに男は倉庫の扉の鍵を開けてくれる。
機械に過信しすぎは良くないな。
「案内ご苦労さん」
慌てている男の背にそんなことを思いながら近づき、声をかける。
それに振り向いたところでやつの腹に拳をめり込ませる。
気絶したのを確かめて、俺は目的の品を持ってさっさとその場を後にする。
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