Fragment.Ⅰ

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理由はその振る舞いと、謎めいた素性からか。 わざわざ相手に予告状を送りつけ、厳重な警備もものともせず実にスマートに、かつ華やかに狙った物を盗んでいく。 かとおもえば、まるで息をするかのごとく自然に気配もなく盗むこともしてみせる。 毎回出没する度、異なった姿で現れる、まさに変幻自在な怪盗は、名をソーニョという以外何一つ正体は掴めない。 年もそれこそ性別さえも。 ただ現場に残されたメッセージカードには決まって署名と金色の三日月が描かれていた。
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