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拳が振り下ろされるよりはやく、二人の間に入った俺は片手で受け止め、もう片手でアーズリーの胸ぐらを掴む手を引き剥がした。
思わぬ闖入者に男は一瞬怒りを忘れたような顔をしている。
ちらりと後ろを見ればアーズリーも似たような表情だ。
「おぅ、あんちゃん、なに割り込んできてんだよ」
「まあ落ち着けって。話はだいたい聞いてたぜ。たかがポーカーで負けたぐれぇでそう熱くなんなよ」
男の手を押し返せば、忌々しそうにしているのに俺は軽く返す。
「だいたいいかさましてようがしてまいが、結局最後まで見抜けねぇおっちゃんの負けだと思うぜ」
「なっ、あんちゃん、そいつの肩を持とうってのか!?」
さらに追い討ちをかけるように続ければ、あっさりと男は怒りの矛先を俺に向ける。
しめしめと思いつつ俺はさらに挑発を続ける。
「別に俺は自分の思ったままにしてるだけさ。気に入らないなら相手になるぜ?」
「こんのぉ~!」
俺の予想通り男は怒りに相手を見誤ってくれた。
突進してくるの男に俺はニヤリと笑って待ち受ける。
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