New face.Ⅰ

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「助けを求めたつもりはない」 アーズリーを正面に見据え、いざ話しかけようとしたところで、いきなりばっさりと切られる。 ……前途多難だなぁ、おい。 銀のフレームの眼鏡越しに見上げる視線に、俺は用意してた気軽な挨拶を飲み込む。 「さっきも言ったろ?俺の思ったままにしてるだけだって」 「暴れることしか知らない馬鹿のくせに、恩着せがましい」 つとめてラフに振る舞う俺と対照的に、こいつはどこまでも冷ややかだ。 おまけにとげとげしい。 その言動にカチンとするが、それで怒ってはあの男の二の舞になってしまう。 「それはお前の言い分。とりあえず痛い目見ずにすんだじゃねぇか」 一度気を取り直して俺は笑う。 あのとき言い争ってた時は平然としていたが、胸ぐらを掴まれた時になってこいつは一瞬怯えた表情を出した。 今までそうされたことがないのだろう。 だからこそ出た表情を俺は見逃さなかった。 それをやんわり指摘すれば、アーズリーは押し黙る。 よし形勢逆転。
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