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「……何が目的だ」
「簡単な話さ、なぁあんた俺の仲間になってくれないか」
ぼそぼそと言われた言葉に俺は右手を差し出して答える。
その右手と俺の顔を見比べているアーズリーに、俺はさらに言い募る。
ここで引き下がったり、失敗したら次はなさそうだから。
「悪い話じゃないと思うぜ?俺は自分にはない能力を手にできる。で、お前は実戦で使える戦闘員が手に入る。そうだろ」
「……」
こういった知性を盾にしている奴の多くは、なにかするときに己にとって利益、不利益かどうかに重点を置いている。
だからこそそこを上手く利用して取引をすればいい。
アーズリーの視点は俺の顔で定まったが、まだ手は動かない。
もう一押しか。
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