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「……他にも頭の切れる奴だって居るだろう。どうしておれを選ぶ」
さてどうしたものかと考えていると、向こうから口を開いてきた。
なるほど、自分のおかれた状況はちゃんとわかって居るみたいだ。
「深い意味はねーよ。なんだって俺は考え事が得意じゃないんだ。ただ面白そうだからさ」
じっと見上げる瞳に俺が笑いながら言えば、アーズリーはふと視線を外して考え込む仕草を見せる。
「ふん、馬鹿の中でもそれなりにいい方らしいな。いいだろう、仲間になってやる」
少し長めの沈黙のあと、アーズリーは顔を上げて俺の右手をとる。
なんか妙に引っかかる言い方の答えだが、それはまあ置いといてやろう。
「そうこなくっちゃな。俺はヴェルテ、よろしく」
こうして俺はめでたく仲間を一人迎えることとなった。
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