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――ヴェルテ
痛みを引きずりながらも目を覚ませば、とんでもない現状になっていた。
まずいと思うと同時に俺は、なりふり構わずホットウェルに突っ込んでいた。
ようやく入った一撃で倒れたやつを締め上げ、金庫の番号やら鍵のありかを吐かせ、逃げれないよう縛り上げる。
ふうと息をつくも、背後でした音に振り向いてもう一つ重大なことに気づく。
「おい、アズ!しっかりしろ!!」
血溜まりに倒れるアーズリーを抱き起こして呼ぶも、返事はない。
右肩と左足、とにかく止血をしないと。
近くにあったカーテンを切り裂き巻く俺の胸中は、後悔と反省の念が渦巻いていた。
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