268人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうして、貴様が謝る!!」
こいつがなにに対して謝ったかなんてわかっている。
だからこそおれは思わず声を荒げた。
今は悔しさより怒りに近い心境だ。
「お前の忠告を無視して、足を引っ張ったのはおれだろう!なのに、どうして……」
「……すまない」
感情にまかせて叫んだ後、俯いておれはようやくその一言を絞り出して、ズボンをきつく握りしめる。
そのまま長い沈黙が流れる。
ふとやつが先に動く気配が見えた。
最初のコメントを投稿しよう!