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「しっかし、あんな奴らの挑発にのるなんてお前らしくない」
そう、おれは今回の仕事の前に、以前仕事で手を貸した奴らに絡まれたのだ。
情報収集だけしかできない奴、他人任せ……
初めは無視を決め込んでいたが、好き勝手言うのに我慢できず、そんなことないと言い返してしまった。
「俺はそんな風に思ったこともないし、むしろ有り難いと感じてるんだぜ」
「それは……わかっている」
ヴェルテがサイドテーブルに肘をついてため息をつく。
それにおれは俯きながら、口を開く。
「でも」
「ん?」
「だからこそ、だったかもしれない」
挑発にのってしまったのは、自分も心のどこかでそう思っていたからだ。
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