vs Thief's boss-3

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アーズリーにもたいしたことないと言ったが、実際は負傷した数も大きさもかなりやばい。 とくにさっきの脇腹はナイフで深く切り込まれていて、ソーレがくれた鎮痛剤でなんとか堪えているようなもの。 ただ銃弾による傷がないのが不幸中の幸いだ。 でもそんなことは、俺からしてみればこんなに怪我したのいつぶりだろう、なんて呑気に考えられる程度なのだ。 「そうだろうけどよ、今のお前さんは自分一人じゃないんだから、それ忘れるんじゃねーぞ」 「ぅ、お、おぉ。面倒かけて悪りぃな」 ぼんやり考えていると、呆れたように溜め息混じりのソーレが後ろを指差して言うのに、俺はソーレの言わんとしてることに気付き、大人しく頷いた。 「んで、あちらさんはどうなったんだ」 「あぁ、目も覚めたから大丈夫だと思う。まぁ、あいつが動けない間は俺も大人しくしてるよ」 それにやれやれと言わんばかりにまたため息をついたソーレは隣のイスに座って、尋ねてくる。
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