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アーズリーのことを指しているだろうそれに俺はそう返す。
「あんたが居てくれて助かったよ。俺一人じゃどうにもできなかったし」
それから俺はソーレに向かって、軽く頭を下げる。
あのときアーズリーを連れて戻ってきたはいいものの、軽い応急処置程度の知識しかなく焦っていた俺に、ソーレは手を貸してくれた。
ソーレ自身も治療に詳しいが、ついでにとここら辺で不良どもを相手にしてる闇医者とも渡りを付けてくれたのだ。
「なに、気にすんなさ。まぁ礼をする気があんなら、今日の飲み代は奢ってもらおうか」
そんな俺にソーレはからからと笑って返される。
常に手を組む仲間ではないが、困った時に手を貸してくれる存在の有り難さに俺はふっと笑って、ソーレの申し出を受ける。
いろいろあったが、アーズリーも目が覚めたし、ようやくこの仕事が終わったと、ソーレと乾杯しながら俺は実感したのだった。
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