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「一介の情報屋がおれたちに何の用だ。依頼ならマスターのところにいけばいい」
だからそれまで黙っていたアーズリーがそう指摘したのに、俺も同意するように頷く。
「だから~依頼で来たんでなくて、オレはあのホットウェルを倒した奴らを見に来たんだよ」
けど、男は少し大げさに首を振ってそう告げてくる。
「確かに、そいつを倒したのは俺らだが、それがどうしたよ」
「つまりスラム街に突如現れた実力のありそうなルーキーな窃盗団を、他の仲間が目を付ける前に先に顔見知りになっておこうと思ったのさ」
男が言うには、ホットウェルは長年このスラム街で厄介者であった。
それを名もない俺らが倒してしまい、情報屋ではその噂でもちきりらしい。
まあ、このバー内でも噂になったのだから、いろんな情報の集まる情報屋ならなおのことだろう。
「ふーん、でその噂の俺達を見た感想は」
「ん、なかなか悪くないぜ。それでどうだ、このオレからの仕事を受けてみないか?」
ジイさんといい、なんでこんな胡散臭い奴らに目を付けられるんだろう。
内心俺は少し呆れながら男を見れば、そんな提案を持ち掛けられた。
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