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俺が脳内台詞を大量生産している間にビッチは再生したらしい。
俺はあらかじめゲームにプログラムされていた台詞を言った。
「わ、悪ぃ…。生肉か…そこにいる鳩でもいいか?」
…おーい、俺?何つった今。鳩?
「し、仕方ないわね…。私、いつもは熊派なんだけど、熊いないしね…。ほらっ!さっさと鳩獲って来なさいよ!」
…鳩でした。ちきしょう…。
つかあの生肉、熊かよ!何処で獲って来たんだ!?ってそれどころじゃねーんだったな。
俺は色々諦めて、1メートル先で地面突いてる鳩1羽に視線を向けた。
くるっぽーくるっぽー連呼していた平和の象徴は己の平和をぶち破られる気配でも感じたのか、突然こちらを向くと、威嚇し始めた。
…ばかぁ!出来る訳ねーだろ!あんな…威嚇してもかわいい生物を捕獲なんて出来る訳が…!
『ミッションⅠ たくまvs鳩』
カァンッ!
…何か頭の上に恋愛ゲームにあるまじき英語2文字が出て来て、ボクシングの時のあの音鳴ったぞ。え、戦うの?
鳩さんがこっちに!!うっ…えぇいっ!
『鳩の体当たり攻撃!
しかしたくまの掴みかかりには勝てなかった!
所詮は鳩である…
たくまの勝利!!!』
何か勝てたぁああああああ!!つーかナレーション鳩嫌いなんか?!
鳩さんは俺の手の中でぐったりしている…くっ!こいつが食べられるのか…。
「まぁまぁのやり方ね。あなた、名前は?」
『名乗りますか?』
『いいえ。』
「名乗る程の者じゃないさ。またな。」
ぐっ、何だこのキザっぽい台詞…てゆうかビッチ、その選択はナイスだ。
「ふふ…まぁその内会えるからいいわ。そのTシャツ…ふふっ、じゃあね。」
おっさんは去って行った。不気味な台詞を残して…。
ふと、予鈴が聞こえて来た。俺は慌ててまた走った。
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