EP.3 正しい事

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―翌日― 「ふぁあ~あ」 何と無く目が覚めたイワンは、隣で寝ているマリアを見る マリアはシャルを抱えて寝ていた (毛玉とかつかないのかな) そんな疑問に答える人(?)もいないので、とりあえず布団からはい出る 「あら?」 ライデンがいない 「ま、いいか」 ツンデレ一匹狼は放置して置くことにした 「… …やることなさすぎってのもなぁ~」 つーか洗面所どこ?、と宛(あて)もなく歩きだす 隣の襖(ふすま)をあけると、隅っこに畳(たた)まれた布団があった どうやら二人は既に起きているらしい (あの二人、何してんだろ。こんな朝っぱらから) 時刻は8時、テレビはまだまだ高価な時代である。テレ東なんぞあるわけもなく、まだラジオの家庭が多いだろう 「…つーか洗面所どこ?(二回目」 いい加減顔を洗いたいイワンは、とりあえずまた歩きだす しかしいけどもいけども襖しかない しかたないのでどんどん開けていく 「お?」 20回程開けたところで渡り廊下らしき場所に出る 「……つーか洗面所どこ?(三回目」 「案内してあげましょうか?」 ザッ! 咄嗟に距離をとるイワン 「…、源ちゃん…。お母さんちょっと悲しいわ…」 しくしくと泣きまねをする音子(ねね) 「あーっと…、スイマセン」 居心地が悪くなって謝るイワン 「あら、源ちゃんと違って素直じゃない。でもあの子に任せたら性格が360度回りそうね」 ……直進です 「…」 それを口にだそうかだすまいかを迷っている間に音子は話を90度折り曲げる 「あ、私狗牙音子っていうの。源銅の母よ。よろしくね、イワン君♪」 「あ、はい…、…はい?」 「あら、耳遠いのね。若いのに大変ねぇ」 「いや、そうじゃなくて…。源銅の…お母さん?」 …見えません 「えぇ、そうよ」 「…、大変失礼だと思いますが、おいくつでしょうか?」 「教えないわ。後、敬語は止めてくださいな、老(お)いを感じてしまうわ」 「…、さいですか」 「さいですわ」
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