姫の想い竜の想い

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「わた……私……、絶対あなたを忘れないから。だから夢で会って……風で話しかけて、包んでよ」 「ああ。俺はずっと……リシュカの傍にいるぅ。リシュカと、リシュカの作る国が見たい……からなぁ」 「私の……国……」 呟いた言葉にナーヅァを見つめれば、徐々に濁りだした金の瞳に優しく包まれる。 「きっと……美しい国に、なるなぁ。リシュカが作る国を……見たい」 「……分かった。素敵な国を作るよ」 「リシュカの……笑顔が見たい……」 「うん……」 うまく、笑えているだろうか? ナーヅァが笑顔を見たいと言うのなら、笑顔を見せてあげたい。 悲しみで送られるよりも、笑顔で送られたい。 一番好きなキミの笑顔で、旅立ちたい。 あなたが好きな笑顔で、見送りたい。 うまく、笑えているだろうか。 自分の表情は自分じゃ分からないけど、ナーヅァにはちゃんと見えた。 可憐で凛として、美しく満開の、至上の笑顔が。 ああ……。 愛おしい……。 彼女に看取られて逝くのは……俺は幸せもんだぁ……。 金の瞳がゆっくりゆっくりと、閉じられた。  
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