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ゆっくりと、雪かふわふわと地に落ちるかの如くゆっくりと、持ち上げられていた首が地についた。
金の瞳も閉じられ、何が起こったのか……リシュカは理解できないでいた。
「……ナーヅァ?」
固まった笑顔、震える声で愛おしい名前を呼ぶが、返事もないし、身じろぎひとつない。
まるで眠っているかのような安らかな彼の顔に、リシュカの笑顔が徐々に消え……白い手がナーヅァの顔を抱き締める。
温かい……。
温もりはあるというのに、彼はもう動いたりはしない。
喋ったりはしない。
名前を呼んでくれることも
冗談を言うことも
励ましてくれることも
何も……ない。
それを頭が理解した時
「ぅ……ぅあああああぁぁあああぁぁぁああああああぁぁああああ!!」
喉から込み上げたのは
慟哭だった。
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