第一章ノ三

13/13
1453人が本棚に入れています
本棚に追加
/179ページ
雄「姫路に問題がない今、正面からやり合ってもEクラスには勝てる。Aクラスが目標である以上はEクラスなんかと戦っても意味がないってことだ」 明「? それならDクラスとは正面からぶつかると厳しいの?」 湊「厳しいと思いますよ」 雄「ああ。確実に勝てるとは言えないな」 明「だったら、最初から目標のAクラスに挑もうよ」 ワタシ達の目標はAクラスであって、Dクラスではない。試召戦争自体が目的の坂本君とは求めるものが違うのです。ワタシの求めるものは、高橋先生が担任になることですから。 雄「初陣だからな。派手にやって今後の景気づけにしたいだろ?それに、さっき言いかけた打倒Aクラスの作戦に必要なプロセスだしな」 湊「詳しい作戦は分かりませんが、頼みますよ坂本君」 雄「ああ、任せておけ」 姫「あ、あの!」 瑞希ちゃんが珍しく大声でワタシ達に話しかけてきます。 雄「ん?どうした姫路」 姫「えっと、その。さっき言いかけた、って……吉井君と坂本君は、前から試召戦争について話し合ってたんですか?」 雄「ああ、それか。それはついさっき姫路の為にって明久に相談されて――」 明「それはそうと!」 へぇ!瑞希ちゃんの為・・・ですか。いいトコあるじゃないですか。 明「さっきの話、Dクラスに勝てなかったら意味ないよ」 雄「負けるわけないさ」 湊「負けないんじゃないですか?」 ワタシ達は吉井明久の心配を笑い飛ばします。 雄「お前らが俺に協力してくれるなら勝てる」 坂本君は自信たっぷりにそう言いました。 雄「いいか、お前ら。ウチのクラスはーー最強だ」 不思議ですね。 何の根拠もないに、なんだかそんな気になってきます。 坂本君はこういうことに関しては天才なんじゃないでしょうか? 島「いいわね。面白そうじゃない!」 秀吉「そうじゃな。Aクラスの連中を引きずり落としてやるかの」 湊「ま、ワタシも担任はあんな先生より高橋先生がいいので」 土「………(グッ)」 姫「が、頑張りますっ」 打倒Aクラス。 荒唐無稽な夢かもしれないです。 実現不可能な絵空事かもしれないです。 でも、やってみないと本当に実現不可能かはわかりません。 やってみる価値はあるはずです。 雄「そうか。それじゃ、作戦を説明しよう」 涼しい風そよぐ屋上で、ワタシ達は勝利の為の作戦に耳を傾けました。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!