神南署 安積班

2/5
前へ
/11ページ
次へ
神南署、刑事課強行犯係。 それを仕切るこの男、安積剛志は部下からは親しみを込めて「ハンチョウ」と呼ばれている。 「あれ…おかしいな…」 さっきから引き出しを開けたり閉めたりしている彼を不思議に思い、一人の女性が声をかけた。 「何してるんですか?ハンチョウ…」 水野真帆。係内の紅一点で鑑識課出身。そのためか根拠や物証を重視している。 「いや、チケットどこ置いたっけなぁ…と思ってな…」 そう言いながらも書類のあいだを捜したりと手を休めない。 「チケット?」 「あぁ…涼子が一緒に行こうって言ってくれたコンサートのチケットが無いんだよ…おかしいなぁ…」 ちなみに、涼子とは彼の娘のことであり、看護婦をしている。 「コンサート…ですか」 「そうなんだよ…うーん…」 腕を組み、首を傾げていると新たに人がやってきた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加