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「ま、そのうち見つかりますよ」
「だといいんだがなぁ…」
「ちょっと一休みしてみるのも一つの手じゃないですか?」
「一休み?」
少し眉間にしわをよせて尋ねる安積に須田はにっこりと答えた。
「いや、ほら、休んでる最中にパッとどこに置いたか思い出すかもしれないでしょう?」
どうだか…と呟いた水野は無視しつつ、テレビのリモコンを手に取った。
「ほらほら、テレビでも見て一休みですよ」
パッとテレビがつくと、女性の姿が映し出される。
『続いてのニュースです。今朝人気アイドルグループ、「雪ースノウー」のベース担当だった橋本雪也さんが自宅で亡くなっていたことがわかりました』
「えっ!?」
「ハンチョウ?どうかしたんですか?」
「いや、雪ースノウーって…涼子が好きだから…一緒に行こうって…」
「え、じゃあハンチョウが探してたチケットって…雪ースノウーのコンサートチケット…!?」
水野の問いに、ゆっくりと安積は頷いた。
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