詰らん意地は蛇の足。

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どうしてこうなったんだろう。 気付けば俺はその場で正座を強いられていた。 「だからあっ、八城宮様は素晴らしいお方なの!」 「獰猛な眼差しにニヒルな笑み……はあんっ痺れるゥっ!」 「はぁ、あんな気高く美しい方がこの世に存在してもいいのだろうか…」 どういう訳か、気付けば八代宮会長様の素晴らしさ格好よさ美しさ等々を興奮した様子で語り出していた彼等に若干引いていた。 今や連日マリモのケツを追い掛けているアホ会長(絶対に言ったらシバかれる)でも、最早崇拝に近い彼等からして見ればキラキラと光り輝いて見えるらしい。 どいつもこいつも……恋は盲目だとはよく言ったものだ。 「まあ……確かに、顔はそこら辺じゃお目にかかれないほど美形だけど」 「当たり前でしょ!!あの方に敵う人なんかいないんだからっ!」 「アンタにも漸く八城宮様の素晴らしさが分かったようだね!」 「八城宮様!僕達やりましたっ!!!」 言った途端、豆達の食いつきようが凄まじかった。 ずずいっと興奮状態継続中でやけに迫力のある美顔三人衆に迫られ、「でも性格があれじゃあな」と続く言葉は問答無用で俺の口内に押し留められた。 それにしても、何故そこまで喜ぶのか。普通怒るんじゃないの? 疑問に思ったところで、引き続き訳が分からない状況が続く。 「はあああ…あれだけ有名どころの美形ホイホイしておきながら、八城宮様までとか……何度考えても生意気!」 「本当!平凡のくせにっ!でも、もういい加減遊びは終わりにしなさいよね!ばか!」 「そうだよ!もう十分でしょ!これ以上、八城宮様の気持ちを弄ぶのはやめてよね!性悪平凡男!」 表情は一変、キッと睨みつけられながら、あらゆる方向からの罵倒に困惑を隠せない俺。 さっきのでキャパオーバーだってのに、更に理解し難いことを言ってくれるなよ…! ズキズキと痛み出した頭を抱えながら、もう片手で待ったを掛ける。 「ちょっと待って、話が見えないんだけど…」 そんな俺に投げ掛けられたのは、耳を疑いたくなるほどのあまりにも衝撃的且つ突拍子の無い内容だった。 「―だからっ!八城宮様と復縁しろって言ってんの!」
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