母の遺言

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「義人は、ずっと優しかったよ。 私の事、本当に大切にしてくれてた。 私こそ、義人に謝らないといけない。 私は自分を隠して、義人に愛されてたんだから。 本当の自分を知られたら、嫌われるんじゃないかって、 自分の事、何も言えずに義人を騙してた。 結局、口では愛してるなんていっておいて、私は義人の事信じていなかったんだよね。 義人に全部伝えて、それでも愛して欲しいって、 最初からそう言えていればよかったのに、 相手の女性の事も、本当は誰なの?どこで知り合ったの?なんで、その人じゃないとだめなのって、聞きたかったのに、やせ我慢してた。 義人、騙しててごめんね。」 「千佳は何も悪くないよ、それに君のお母さんも、君を愛して、守るために、生きてきた立派な人だよ。」 千佳は義人のその言葉に、また涙がこみ上げてきた。 「義人、ありがとう・・・ あなたが、私に別れを告げなければ、私はお母さんの真実も知ることはできなかったし、 私のトラウマはいつまでたっても、消えなかったと思う。 死ぬ前に、こうしてまた会えた・・・ そして、教えてくれた。 私は愛されていたんだって。」
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