971人が本棚に入れています
本棚に追加
「……どうした、翔太」
亮佑は翔太の足元に視線を落とす――。
「……今から……何処かへ行くのか?」
「……関係ないだろ。親父には」
「関係ある。俺はお前の親だからだ」
「…………」
顔を俯かせたまま何も応えない翔太――。
「…………見たのか?」
亮佑は翔太に問いかけた。
「さっきのニュースを――」
「退け」
亮佑の言葉を遮って――。
翔太はゆっくりと顔を上げた。
「退けよ」
鋭い眼差し――。
「…………!」
亮佑はその場から少し後ずさりした。
「退け!」
翔太はそう亮佑に向かって叫ぶと玄関を潜って外へと飛び出していった。
最初のコメントを投稿しよう!