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それは学校帰りの話だ。
いつものように春樹は、近道だからと通学路にしている小道を通って帰っていた。
ジジジと蛾が灯りに群がる。
夜はこの電灯がなければ、ここら辺の道は怖くて歩けないほど暗いのだ。
最近物騒な事もあり、春樹は急いで大通りに出ようとしていた。
だがその時聞こえてきてしまったんだ。
何がって、すすり泣きが。
勘弁してくれ。
早鐘を打ち始める心臓に訴えかけた。
そんなね、あり得ないでしょう普通。
こんなにも暗い、狭い、無人なパーフェクトな状況ですすり泣きなんてきたら、コレはもうアレしかないでしょう。
「1日……2日……3日……」
ああ、聞こえてきてしまった。
死へのカウントダウンが。
肝心なその言葉を発している主は何時の間に其処に居たのか、電灯に照らされハッキリと姿が見えていた。
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