お腹がすきました

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父と母は一年前に事故で他界していた。 自分に残ったのはマンションの一室と、莫大な遺産だけ。 だから偶に人恋しくなるのも事実で、今現在この家に居るのが二人だという事に内心喜んでいるのかもしれない。 しかし相手は人外だ、油断はしない。 少女をソファーに寝かせると、とりあえずコートを脱がせた。 下に何も着ていないなんて展開はある筈もなく、そこから覗いたのはこれまた黒いシャツとフリル付きのスカート。 クローゼットの中にコートと一緒に鎌も押し込んで、準備完了。 何時でも対処できるように、向かいのソファーに殺虫スプレーを持って座った。 しかし何時まで経っても相手が起きる気配はない。 元々喧嘩なんてしない自分の蹴りなど威力はない筈だと思った時 「もう無理ですぅ」 という声が聞こえ、爆睡中なのだと気付いた。 なんて奴だ。 仕方ないので春樹も少女を放置して風呂に入って寝た。
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