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『ひまわりちゃん。』
風間は女性に声をかけた。その女性はとてもビックリした様子で風間の顔を見ていた。
風間はひまわりの顔をみてあの頃のしんのすけを思い出して照らし合わせていた。
『風間さん!!。なんでこんなところにいるんですか?』
風間はハッとしてひまわりの呼び掛けに応えた。
『あっ、いや…しんのすけの家に線香と引っ越しの報告をしに行ってたんだ。』
『いつもお兄ちゃんに会いに来てくれてありがとうございます。あの…一つ聞いていいですか?』
ひまわりは顔を曇らせながら聞いてきた。風間はコクッと頷くとひまわりは静かに口を開いた。
『あの…風間さん達が知るお兄ちゃんってどんな感じだったんですか?私…小さかったからお兄ちゃんの記憶があまりないんです。でも、凄く楽しかった事だけは覚えています。教えてくれませんか…?』
そう言うと風間は空を見ながら笑っていた。そしてひまわりにあの頃のしんのすけの姿を伝えた。
『しんのすけはいつも楽しそうに笑ってたよ。毎日のように幼稚園に遅刻してたんだよ。その度におばさんが自転車で送って来てたな。背中にひまわりちゃんを背負ってね。』
『そうなんですか!?でもなんとなくだけど少し覚えているような気がします。』
ひまわりと風間は笑いながらしんのすけの話をしていた。
『何考えてるか分かんない奴でさ~。今にもお尻出しながらこの公園に来そうだよ。本当に死んだなんで考えられないよ。』
風間がこんな言葉をいいながらひまわりの顔を見るとうつ向いて寂しそうな顔をしていた。風間はしまった!!と思い誤るとひまわりがそっと口を開いた。
『大丈夫ですよ。それともう一つだけ聞きたいんですけど、あの…お兄ちゃんって本当に病気で死んだんですか…?』
風間は金縛りにでもあったかのように固まったが、ひまわりの真っ直ぐな目を見て、一呼吸おくと【真実】を話始めた。
『実は…
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