心霊スポット

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心霊スポット

綾瀬と俺は心霊スポット巡りを主にしているサイトを持っている。 結構好評で、カウンターも1日で3桁はまわり、最近は2ちゃんねるに専スレが建った。 行った心霊スポットは2人の両手、両足を合わしても足りない位で、結構危険な体験もしてきた。 そんな俺達の体験談を見て、アドバイスをくれる人達も多々居たりする訳で、今では塩と酒のみならず眉唾ものも含めて色々持って行っている。 今回行く心霊スポットは、ある常連さんが教えてくれた場所だ。 どうやら一家惨殺事件が有った家らしく、今でも惨劇の痕跡が確認出来るらしい。 綾瀬と俺は感覚が半分麻痺しているのか恐怖をあまり感じず、現場に到着しても躊躇う事無く家の中に入っていった。 中は結構荒れていて、惨殺の痕跡を探すより、怪我をしそうなものが無いか確認をしながら探索するのをメインにする事を余儀無くされた。 一階を一通り見終わり、二階に行く… 階段も腐っている部分が有り慎重にのぼる。 壁は悪戯描きばかりだが、たまに妙なシミが点々とついていた。 これが惨殺の痕跡なら少し拍子抜けだけど、常連さんが教えてくれた場所なので可能な限り探索する。 二階に来ると手前側の部屋の入り口がすぐ側に有ったので入ってみる。 唖然とした。 腐液を吸った畳とはこう言う事か。と、強制的に理解させられる位見事な人型のシミがある。 事件から年代が経っている為か腐臭らしきものは感じないが、シミには強烈なインパクトが有った。 「あ、なぁ…このシミ……動いてるよな?」 俺の背後に居た綾瀬が懐中電灯で脚があったであろう場所を照らす。 確かによく見ると左脚に比べて右脚のシミの範囲は大きく、まるで擦った様だ。ここに有ったであろう死体が動いたって想像が出来なくも無い。 「俺、検屍とかよく分からないけどアレじゃね?血液とか体液とか片寄ってとか…」 「……ふぅん。」 綾瀬は気の無さそうな返事をする。 その態度に少しイラッとしたがこんな場所で喧嘩しても互いに損しか無い。    
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