実話≠金縛り(壱)

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    「テメェ等、こっちが金縛りだからって心に思う事は出来るんだからなッ!死ね言っている奴、オメェが今すぐ死ねや!あ?人様に死ね言う位だから殺される覚悟出来てんだろうな?頸洗っとけ。殺してやるから。嗤ってる女、うるさいッ!お前はなんだ?動けない奴にしか嗤えない肝の小さい奴なのか?はッ!性格悪い女だねぇ~、私が二十四時間四六時中嗤ってやるよ。ざまぁみやがれ!アハハハハハハハハハ………!!!!!!!!」 と、汚言症よりも更に汚言暴言罵詈雑言を吐いたと言うか思った途端… 無音。 嗤い声も呪詛のような言葉も聞こえない。強いて言うならば、私の心臓の音と風と木々の葉が擦れあう外音しか聞こえない。 幻聴に対して、(……やり過ぎた。)と、反省と罪悪感を感じた…。     それから数年経ち、いまだに金縛りに悩まされるある日の事。 「………コロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤルコロシテヤル…。」 久しぶりに幻聴を伴う金縛りに遭った。 あの暴言を吐いた後も度々幻聴はあった。数回は我慢し、我慢した後また怒りにまかせて暴言を吐き、反省の繰り返し。 面白いのかは別にして、最初の暴言を吐いた一年後に、暴言を吐くと次の幻聴の内容が変わっている事に気が付いた。 幻聴の声が男性になったり、中年の女性になったり、若い女性になったり、内容も「死ね」や「死んでしまえ」、「不幸になれ」など………    
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