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「んだよ……」
少年は悪態突きながら起き上がり、周りを見渡す。
少年の立っているところはなにかの通路らしく、後方はボタンの見当たらないエレベーター、前には怪しい扉がある。
何故こんなところに放置されたのか、少年は理解に苦しむ。
「なんだオイ、裁判所の下はお化け屋敷かよ……ん?」
少年は廊下に落ちる光るものに気付いた。
取って見てみると、それは鍵。
手錠の鍵のようだ。
「凶悪犯を離すか……。
随分デンジャラスなことするな……」
少年はとりあえず手錠を外し、後ろを振り返った。どこを見てもボタンが見当たらないエレベーター。
脱出ゲームかなにかにありそうだ。
「オッケー……とりあえず前に進まなきゃなっと」
そう結論出し、歩き出す。
ここは地下、窓は無いし、電球の光もなんだが小さい。
暗い……つまり、不気味。
「オープン」
しかし少年は臆すること無く前へと進む。
扉を開くと、予期せぬ光景が視界に入った。
「いらっしゃいませ~」
白い壁の広い空間全てに、刀やら銃器やらの武器が置いてある。
棚もいくつもあり、そこには小物武器や弾、色々なものが置かれてる。
それだけでも不可解だというのに向こうにレジらしきスペースがあり、一人のやる気なさげな少女がちょこんと座っている。
「……落ち着け俺。
目の錯覚だ、こんな場所に武器屋があるワケねぇだろ……」
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