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 少年はかなり、動揺していた。 今の状況に完全に頭がついていっていない。 「死刑決まったかと思えば変なフロアで蹴り下ろされて……お化け屋敷かとおもえば武器屋の幻覚? 落ち着け俺、目閉じて開けば、ここには何もない、よし」  レジの少女の視線を完全無視し、そして固く目を瞑った。  しばらく、そぉっと目を開くと……。 「アンタ大丈夫? かなり独り言激しいよ、麻薬やってんの?」 「うおいッ! や、やっとらんわ!」  目を開くとすぐ目の前にはあの少女が。 少年は驚きながらも受け答えし、数歩後ろに下がる。  かなり……近い。 少年はウブなご様子。 「……マジか?顔赤いけど……まぁいいや、早く武器選べ、師団長がお待ちかねだ」  綺麗な顔立ちとは裏腹に、男勝りな口調。 「いやいやいや待てやオイ。 なんで犯罪者に武器持たせんだよ? お前殺しちゃうかもしれないんだぜ?」  本心ではないが、少年はそう脅す。  しかし少女は少年の言葉に見下したような微笑を浮かべて見せた。 「大丈夫、アンタはそんな危険人物じゃないと調べはついてる。てか私がアンタに負けるわけ無いじゃん。 寝言は寝てから言えよ、安い挑発ご・く・ろ・う・さん!」 「あぁ?」  流石の少年もこれにはカチンときた。 しかし次の言葉を放つ前に、少女が懐から黒光りするものを取り出した。 「つべこべ言わず早くしろや。脳天ぶち抜いてグチャグチャに踏み潰すぞ?」 「……すいません」  イメージとは駆け離れた少女のグロテスクな表現に少年は完全にビビった。
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