恋したキミはもういない。

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妹は頬を膨らましています。 自らの憤りを表現したいのでしょうか。 茹でタコのような表情です。本当面倒くさいこのタコ娘。 兄:「そんな事言われてもな……」 妹:「傷付いたっ、ちょー意地悪!入部してからの三年間、毎日玉拾いだけさせるくらい意地悪!」 兄:「それもう意地悪ってか可哀想だな。 どっかで見切りつけて辞めればよかったのに」 妹:「何で辞められなかったか……そんなの簡単だよ。 テニスが……テニスが大好きだったからっ!! だから……っ!!」 何か急にシリアスな雰囲気漂わせ始めました。 もう分けわかんねえよ何でテニスの話してんですかコイツ。 このままじゃ埒があかないので、不本意ながら本題に踏み込むことにしました。 兄:「……で、冷蔵庫の話だろ?」 妹:「ハッ、そうだった。 つい会話が弾んで……」 兄:(……八割方コイツが一人で喋ってたけどな……) 妹:「冷蔵庫の中には、夢が詰まってるんだよ。 夢がっ」 兄:「何が言いたいんだ? 何だよ夢って。 美味しいのか?」 妹:「お兄ちゃん、アホみたいな事言ってる場合じゃないよ」 こんな奴にアホって言われてしまいました。 もうお嫁にいけません。
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