恋したキミはもういない。

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妹:「例えばさ……冷蔵庫開けると何かワクワクするでしょ??」 兄:「別に」 妹:「えー、お兄ちゃん鈍感過ぎだよぉー」 兄:「冷蔵庫に敏感でもしょうがないだろ」 妹:「じゃあさ、じゃあさ、お兄ちゃんの大好きなプリンが入ってたら、冷蔵庫開けるの楽しみでしょ?? そういう事なんだよ。 これが冷蔵庫の魔力なんだよ」 兄:「いや、それは明らかにプリンの魔力だって」 妹は「むぅぅ……」と唸り、頭を抱えています。 もう説得させるほどのボキャブラリーが無いのでしょう。 妹:「じゃあさ…………冷蔵庫の『ゴー』って音、聴いてると落ち着かない?」 兄:「あー……、何故かそれは分かる気がするなあ……」 妹:「でしょでしょ! 冷蔵庫の前で勉強すると凄いはかどるんだよねー」 兄:「なかなかシュールな絵面だけどな」 妹:「もう落ち着き過ぎて、iPodに落として持ち歩きたい感じだよねー」 兄:「そこまでは思わない」 この妹は何をそんなに冷蔵庫に過大評価するのでしょうか。 裏があるような気がしてなりません。 妹:「えー、ちょっとノリ気だったくせにぃ」 兄:「お前は色々と過剰なんだよ。そりゃあもう色々と」
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