最終章 決戦、機械の鳥と原始文化<プロトカルチャー>の鳥

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行方不明の二人は艦に帰ってきた。しかし、敵も遺物を奪取したという事実が、艦内の雰囲気を重くしていた。 「やっぱりダメだってさ」 食堂で、日本人の船員が紹介したというイチゴミルクの紙パックジュースを片手に、メルトはうつろな目をして天井を見上げていた。 メルトの機体はスクラップが決まった。 使える部品を剥ぎ取るためのジャンク機として整備区画の端に置いてある。 「飛びたい?」 横で腕組みをしてたツカサは控えめに聞いた。 「当たり前でしょ。みんな決戦に備えているのに、私だけここから見物しろとでも?ありえないわ、そんなこと。わたしにはね、戦う力があるのよ!」 メルトはかなりイライラしていた。 「格納庫の端に2機、予備機があったけど」 「あれはフォッカー隊長とシンが使うんだってさ。私に割り当てれる機体は無いってさ」
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