第1章 ツカサ・瓜生

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しかし浮かれている暇はなかった。 直後、レーダー照射の警告音が鳴り響いた。 上を向くと、白煙が2本、その向こうに戦闘機のシルエットが見えた。 ツカサの手が反射的に動いた。 右に操縦桿を倒した。急速に機体が縦向きになった。 その両脇をミサイルが通り過ぎ、海に落ちた。 機体のすぐ脇を敵機が通過した。 一瞬、キャノピー越しに敵パイロットの姿が見えた。向こうもこちらを見ている。 エンジンの出力を一気に上げ、敵機と離れた。そして機速を維持したまま急旋回、機首を反対へ向けた。 敵機は海面スレスレでホバリンクしつつ、変形を開始していた。 「その手がいつまでも通用するわけがないだろぅが!」
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