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しかし浮かれている暇はなかった。
直後、レーダー照射の警告音が鳴り響いた。
上を向くと、白煙が2本、その向こうに戦闘機のシルエットが見えた。
ツカサの手が反射的に動いた。
右に操縦桿を倒した。急速に機体が縦向きになった。
その両脇をミサイルが通り過ぎ、海に落ちた。
機体のすぐ脇を敵機が通過した。
一瞬、キャノピー越しに敵パイロットの姿が見えた。向こうもこちらを見ている。
エンジンの出力を一気に上げ、敵機と離れた。そして機速を維持したまま急旋回、機首を反対へ向けた。
敵機は海面スレスレでホバリンクしつつ、変形を開始していた。
「その手がいつまでも通用するわけがないだろぅが!」
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