第1章 ツカサ・瓜生

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「隊長、通信機の調子が悪いです……今から助けに行きます!」 通信機は壊れてなんてなかった。 「おい、待てツカ……」 ツカサは通信機の電源を落とした。そしてエンジンの出力を最大にした。 ボルトの機体が見えた。旋回を繰り返し、敵機の捕捉から逃れている。 だが、それも時間の問題だと分かった。 ツカサはタッチパネルを操作して、ステルス航行へ移行した。 ボルトと同じ高度に達した。正面に2つの機影が見えた。 「隊長、今の旋回円を保ったままこっちに来てください」 「ツカサ、何をやるつもりだ!」 「言った通りにしてください。生き残るためです」 ツカサは機速を落とさずボルトの機体とすれ違った。 そして機関砲の射線軸には敵機がいた。 引き金を引く。 機銃弾はコックピットに直撃し、赤く染めた。 敵機はキリキリ舞いしつつ海に落ちた。
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