第1章 ツカサ・瓜生

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「こちら、ケイトワン。レーダーに反応なし。平和だよ」 「了解した。引き続き哨戒任務に当たれ。オーバー」 隊長のボルト大尉とCIC(戦闘指令指揮所)との定時交信が終わった。 キャノピー (コックピットを覆う特殊強化ガラス) 越しにみる空はどこまでも青かった。 眼下には青空を写したコバルトブルーの海だ。 ケイトスリーからの通信ランプが点滅した。 「あぁぁ、早く戦争なんて終わってこの海で泳ぎたいなぁぁ」 「おい、ジャクソン。いきなりの私語か」 「いいだろ!敵もいなければ乱気流もなし。真っ直ぐ操縦桿を握っておくだけだ……そういや、最後に女に、俺の操縦桿を握ってもらってから随所と経つなぁ」 「お次は下ネタかよ!」 「暇なんだからいいだろ」 スピーカーから2人分の笑い声が聞こえた。
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