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言葉は音波となって、または体を伝わる波で耳に届いた。
心臓を掴まれたような動悸に襲われた。心拍数がどんどん上がっていく。
「えっと、俺……」
「分かってる。ツカサに彼女がいることも、その彼女が日本で待っていることも。それでも私、言わずにいられなかった。どうしてもこの気持ちを止められなかった。だから……」
ツカサは振り返ると、メルトを抱きしめた。
「ありがとう、メルト。俺は凄く嬉しいよ。付き合うとか、交際することはできない。でも、メルトは俺の中で大切な相棒〈ひと〉だよ」
頭を離したメルトの顔は、目が潤んでいて、空の上では絶対に見せないかわいらしさがあった。
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